ポケミク(NSX-39)のノイズについて

公開:2014-05-02 21:57
更新:2020-02-15 04:37
カテゴリ:ポケミク,ハードウェア

ポケミクだがUSB接続すると結構ノイズがのってくる。普段オーディオインターフェースからの音はほとんどノイズはないので余計に気になる。マウスが動いたり、画面をスクロールさせたりするとそれに同期して「チーカリカリカリカリ」という音が聞こえてくる。このノイズを盗聴し解析すれば私がPCで何をやっているのか判別できるのではないかと思われるほどの大きさである。まあ私の場合はかなりボリュームを上げて聴いているので普段聴きであれば気にならないかもしれない。

USB接続するオーディオインターフェース自体はほとんどノイズは聴こえないから、オーディオインターフェースはきちんとノイズ対策が施されているのだろう。やっぱりそこはそれなりの価格の品だからノイズは仕方がないかもしれない。NSX-39のこのノイズは放射ノイズもしくは伝導ノイズというものらしい。さらにはグランドループノイズというのもあり、ノイズというのは発生のメカニズムによっていろいろ種類があるらしい。私のはPCの動きに連動して聴こえるから放射ノイズかもしくは伝導ノイズなのだろう。このノイズはさらにはデファレンシャル・モード、コモン・モードという違いがある。これは伝わり方の違いだそうで、それによりノイズ除去方法が異なるらしい。USBに関してはコモンモードらしくて、これはコモンモードフィルタというので除去できるとのことである。コモンモードフィルタというのは、2つのチョークコイルが1つに合体したような構造となっているらしい。「らしい」が多くて申し訳ないが、電器・電子回路系は疎くてよくわからないのでこうなってしまう。

ノイズフィルタは市販されているものは結構高額で、構造自体はトロイダルコアとコンデンサーとケーブルだけなので自作されている方もいらっしゃるぐらいであるので、いずれチャレンジしたいと思っているが、Audacityで録音してそれにノイズ除去処理をするとノイズは割と綺麗に消えてくれるのでとりあえず今はいいかなと思っている。このノイズ除去処理はいわゆるノイズゲートとかいうやつだろうと思う。ノイズレベル以下の音をカットするというやつである。ノイズ以外の音はたいていノイズよりも音が大きいからマスキング効果でノイズが聴こえなくなるの で、ノイズレベルしか聞こえない部分をカットするだけでノイズが消えたように人間は感じるわけだ。

ただAudacityのノイズ除去処理はまずノイズ部分を範囲指定して実行してノイズの分析を行い、2回目にデータ全体を指定して除去するからもう少し高度なことをしているかもしれない。なのでAudacityでのノイズ除去のコツはわざとノイズ成分を録音しておくことにあったりする。

NSX-39の音源はYMW820(NSX-1)であり、実際YMW820自体の音声出力はデジタル出力であるが、それをわざわざ本体でD/A変換している。のでノイズがアナログ音声回路部分に乗ってくる。USBもしくは光経由でPCにデジタル伝送してくれればノイズがなくなりそうな気もするだが、それはコスト的に難しいのだろうね。本体で音を鳴らす必要があるわけだから、D/Aは絶対いるしね。まあしょうがない。

WebMIDIに手を出すことにしたのでまずはシーケンサエンジンを作ろうとしてMIDIの古い本「コンピュータ&MIDIハンドブック」を読んでいたら、MIDIインタフェースのハードウェアスペックについて書かれてあり、そこにはレシーバー側にフォトカプラを使用していると書いてあった。これは電気的に出力側と入力側を分離し誤結合等による機器の損傷を防止するためであり、ノイズ対策にもなると書いてあった。音楽用のインターフェースというのはノイズ対策も考慮して設計されるのだなということがよくわかった。