私が最初に使い始めたWindowsは2.11である。動機は高速なExcelが使いたかったからである。当時私は仕事ではMacでExcel・Mac Drawでドキュメント作成を行っていた。主にMac Plusで仕事をしていたが処理スピードが遅く、さらに爆弾がしばしば発生した。
これが我慢ならなかった。もうちょっとで完成というところでこのマークが出るともうやる気がうせてしまい、仕事にならなかった。こまめにセーブするようになったのもMacを使いだしてからの癖だ。
まだインターネットは普及していなくて、印刷物が主体の時代だったし、Mac+Laser Writer NTX-Jによる出力品質はドットプリンタとは比べ物にならなかった。内容な貧弱な仕様書でも立派なものに見えた。そのころLBPもビジネス分野でも一般化してきていたものの、AXパソコンで出力するものはドットプリンタのエミュレーション出力で、LBPの実力を著しく損なっていた。フォントのポイントなんていう概念はもちろんなかった。
で、Windows 2.11が登場するとその状況が少し変わった。ネイティブでドライバサポートがなされ、比較的きれいな出力ができるようになった。当時フォントのポイント指定までできたかどうかは定かではないが、一定の品質は確保できるようにはなった。さらにExcelの動作スピードがMacとは比較ならないくらい速くて、表計算だけなら充分使用に耐えるものとなっていた。そこで私はExcelはAXパソコンで使用することにした。ただまあ、GUIはMacには及びもしなかったが。そのせいか割と軽快に動作した記憶がある。見てくれは悪いがそこそこ使えた、そんな印象を持っている。
その後Windows 3.0をショールームで見たときは結構衝撃を受けた。見た目グラフィックスが少し良くなっているくらいではあるが、あきらめずに改良を続けていくMSの姿勢に感銘を受けたのだ。
これはそのうちMacに追いつくのではないかと思わせるような、そんな製品だった。
実は私はPC9801をビジネス用途で使用したことはない。ゲーム会社で開発用に使用していたことはあったが。表計算はMacで覚えたのでExcelしか使用したことはなくLotus 1-2-3を使用することはほぼなかった。Excelを使用するとLotus 1-2-3が使いづらくてしょうがなかった。私には前時代の製品に思えたが当時は圧倒的なシェアだった。まあ処理はLotusのほうが速かったけど、自由度においては断然Excelのほうが上だと思っていたからね。おなじく一太郎もほとんど使用したことはなく、Mac Drawをワープロ代わりに使いその後Wordに移行した。一太郎もMacで文書作成をしていると前時代的な製品に思えたので。これも処理は一太郎のほうが速かったし、圧倒的なシェアを誇っていたけどね。
こういう人は結構珍しいかもしれないね。