今作っているシーケンサーの参考にするためにMC-4のマニュアルをまず読んだ。 MC-4のマニュアルはローランドのサイトでダウンロードすることができる。
http://www.roland.co.jp/support/by_product/mc-4/owners_manuals/63206072/
こんな古いシーケンサーのマニュアルがダウンロードできるなんて、なんてすごいんだ。ローランドという会社は。。残念ながらMC-8はなかったけれども。
このマニュアルを読んで感動したのは、1ラインのFLディスプレイ、テンキー+αのキーボード、スイッチで可能な限りの編集機能を詰め込んでいるところだ。小説単位だがコピーもできる。 MC-4は鍵盤入力、さらにはリアルタイム・レコーディングも可能なのだ。クォンタイズ機能はないようだが。
YMOのお三方はこのシーケンサーから自分で打ち込むようになったとかいう話を聞いたけどたぶんそうだろうなと思う。MC-8に比べるとかなり使いやすくなっているのではないだろうか。
ST/GT方式というのはMC-8から始まったと考えられるから、ローランド発祥なのだな。そのフォーマットをカモン・ミュージックが踏襲してレコンポーザができたという流れかな。
このレコンポーザというソフトもステップ入力を可能な限り省力化できるようなキーアサインがなされている。そういう傾向もマイクロ・コンポーザ譲りなのだろうね。
かつて某ゲーム会社に勤めていたころ、このレコンポーザのRCPフォーマットをアーケードゲームの音源(OPL)のデータとして演奏するコードを書いた記憶がある。当時はゲーム会社お抱えのミュージシャンが98のレコンポーザで作曲しており、そのデータを手動でゲーム用の音源データに変換していた。RCPのデータをゲームに直接持ってこれればそのような労力から解放されるからだ。そのコードは結局は何かの理由で使われることはなかったが、その時にレコンポーザを触ってその機能の高さに驚いた記憶がある。シーケンサーはPCに移行して単体シーケンサーは廃れるなとそのとき思った。ただシーケンサー自体は単体ものはほぼなくなったけど、シンセに付属するという形で生き残ってはいるけどね。
このレコンポーザのクローンとして誕生したのがSTED2。X68000用としてフリーソフトとして開発され、今ではソースコードも公開され、Mac/Linux/Windowsに移植されている。作者は残念なことにお亡くなりになられた。クローンとはいえ個人であの時代にここまでの完成度のソフトウェアを完成させるのは並大抵の努力ではできないと思う。
今作っているWeb Audio APIのデモ部分のシーケンサーは、STED2のシーケンス・エディタ部分をかなり参考にすると思う。