Chip Tune

公開:2005-06-22 22:52
更新:2020-02-15 04:36
カテゴリ:音楽・動画,ゲーム

たまにではあるがVORCというサイトを覗く。

このサイトでChip Tuneシーンなるものの存在を発見し、驚嘆したのである。
ゲームマシンやコモドールのサウンドチップをエミュレートし、VGMやオリジナル曲をそのチープなサウンドで奏でる。

AY-3-8910(PSG)が華やかりし20年ほど前、コモドール64のSIDチップは「アナログシンセを1チップに集約」なんて触れ込みで、ほしいほしいと思っていたものだ。
SIDサウンドを今奏でると、どの波形のサウンドも歪んでいて、アナログシンセの音質とは程遠いのだが、その歪んだ荒削りなサウンドが人々を惹き付けるのであろうか。

私がゲーム会社に勤めていたころ(ほんの2,3年だが)、OPNをつんだPC98上で、OPNのSSG部分を使用して4bit(5bit?)PCMサウンドを鳴らす実験をしたことがある。OPNのFMでメロディを奏でながら、SSGのPCM再生でドラムサウンドを鳴らすのである。
まあ、私の場合担当がアーケードゲームで、生業としていたゲームつくりには何の役にも立たなかったが、ゲーム製作の合間、ヒマを見つけてはプログラミングにいそしんでいた。
ジェームス・ブラウンの曲(Funky Drummerだったっけ?)のブレークビーツを再生できたときは本当に感動した。
SIDベースの曲中でも、PCMサウンドを聴くことができるが、その量子化ビット数の少ないサウンドはその時の記憶を蘇らせてくれる。

そのころは「いかにサウンドを一般の音楽レベルに近づけるか」という方向性のちょうどはじめの部分だったので、音源チップもpoorでいくらがんばっても一般の音楽レベルに近づけることはできなかった。

PCでも十分一般の音楽レベルに近づけるものを作れるようになった現在、そんな昔のpoorなサウンドが、マニアの間で盛り上がっていることに驚くとともに、ある種の共感を覚えるのである。