以前からの懸案事項であったポケミクのグランドループ問題だが、USBアイソレータにより解消された。写真の真ん中のものが「それ」である。
藤本健さんの“DTMステーション”でもポケミクのグランドループノイズのことが書かれていて、除去のための製品としてPocket DIが紹介されていた。
これはアナログ出力側でノイズを取るもので、これはこれでいいのだと思うのだけれども、グランドループノイズ問題はPCオーディオマニア間では一般的なものとして認識されていて、USBアイソレータで解決するのが定石となっているようである。USBアイソレータというのはPCとUSB機器を電気的に絶縁するもので、ポケミクとPCのUSB接続間に挟み込み、入力側でノイズを除去するものである。MIDIインターフェースのフォトカプラによる絶縁とほぼ同じ仕組みだと思う。 USBアイソレータにはADUM4160というチップが使われる。端子ごとにフォトカプラで絶縁するようなしくみで、USBのような高速インターフェースにも対応しているそうである。このチップを使って自作している方もいらっしゃるようで私もそうしようと思ったが、チップが小さいので、はんだ付けが苦手で不器用な私では失敗する可能性が著しく高いため、完成品を買うことにした。ネットを探したり、秋葉原で探し歩いた結果、イトウ電子さんのものが一番安かったのでこれを発注した。別に6V以上のACアダプタも必要なので9VACアダプター をAmazonで発注した。
両方とも届いたのでPCとポケミク間に繋いでみたところウンともスンともいわない。よく調べるとACアダプタの極性が逆であった。しょうがないのでACアダプタのケーブルを切って極性を反転させてつなぐと動くようになった。
効果であるが、実際に聴いていただこう。まず最初にUSBアイソレーターなしのときのノイズ音である。
次にUSBアイソレーターありのときのノイズ音である。
効果はかなりあり、ボリュームをかなり上げないとノイズは聴こえなくなったが、わずかにノイズは残っている。ひょっとするとUSBアイソレーターとポケミク間のケーブル自体がPCから発生するノイズを拾ってしまうからか、ポケミク自体がノイズの影響を受けてしまっているのかもしれない。まあここまで下がればよしとするが、ひょっとするとPocket DIの方がノイズ除去効果が高いかもしれないけども、出力側の音をいじらないという点で私自身はお気に入りなのである。