nsx-39の心臓部、nsx-1がすごいのである。
カタログから引用するが、スペックは下記のとおりである。
- 【音源部仕様】
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- 最大 64音同時発音 Wave Table 音源。
- サンプリング周波数 44.1kHz。
- 大容量波形メモリー内蔵。
- 標準 2Mbyte RAM。
3Mbyteの内蔵RAMから、任意の容量を波形メモリーに割り当てることができます。
(最大 2Mbyteまで)。残りは、内部 CPU 用 2nd メモリーとして使われます。
- GM(General MIDI)音色 ROM 搭載。
- 標準 2Mbyte RAM。
- エフェクター用 DSP 搭載。
- デジタルオーディオ入力 2 系統。 サンプリング周波数 8kHz~48kHz 対応。
- デジタルオーディオ出力 2 系統。サンプリング周波数 8kHz~48kHz 対応。
- 【内部 CPU 仕様】
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- 2命令同時実行型の高性能 32bit RISC-CPU 内蔵。
- 動作周波数 135.4752MHz、67.7376MHz より選択。
- キャッシュ内蔵(命令用 8Kbyte、データ用 8Kbyte)。
- 大容量メモリー内蔵。
- 1st ワークメモリー。
CPU からノーウエイトアクセス可能。 - 2nd ワークメモリー (標準 1Mbyte)。
3Mbyteの内蔵 RAMから、任意の容量を 2ndワークメモリーに割り当てることができま す(最大 3Mbyteまで)。残りは、波形メモリーとして使われます。
- 1st ワークメモリー。
- DMAC、タイマーカウンター、ウォッチドッグタイマー、IRQ コントローラー内蔵。
- 3本の GPIO 搭載。
音源・DSP・CPU・メモリ3MBがすべて1.5Cm角のチップの中に入っているのである。nsx-39ではこのチップを外部CPUがコントールしており、さらにそれをUSB経由でPCのCPUがコントロールするという構成になっている。nsx-39内蔵の外部CPUはUSBやカーボン・キーボード・ボタンのコントロールを行っているようである。YMW820内蔵のCPUはeVocaloidもしくはReal Acoustic Soundの処理をしているらしい。
音源部は音色もある程度いじれる。し、エフェクトもリバーブ・コーラス・バリエーションという3系統のエフェクトをかけることができる。どのような組み合わせでかけられるのかはまだよくわかっていない。
一番気になるのは内蔵CPUのコントロールは行えるのか、行えるとすればどのように行うのか、そもそもこのCPUはヤマハオリジナルなのか、何かの互換CPUなのかである。おそらくnsx-39からはそのような突っ込んだ使い方はできないだろうけれども。このチップのソフトウェア・コントロールがどの程度まで可能かを何とかして調べたいが、そういう情報はまだ残念ながらネット上にはないようだ。nsx-39もやはりこのチップをコントロールしているわけで、そのマニュアルはあるのだろうけれどもベンダーのみに提供されるものだろうね。
nsx-1の別名はYMW820というのだけれどもこの「YM」という冠のサウンドチップはやっぱり思い入れが強い。「YM~」との出会いは「YM2149」というAY-3-8910互換のSSGからである。もう20年以上前になるだろうか。3音・矩形波固定・EG固定・フィルタなし・アナログ出力というものであった。ほんとにすごい時代になったものだ。