今回の敗因

公開:2006-06-25 06:53
更新:2020-02-15 04:36
カテゴリ:日記

こういう負け戦の際、「精神力が足りない」「個の能力が足りない」とか語られるが、そこが勝ち抜けなかった原因ではないと思う。
今回はの敗北の原因は、日本代表の組織のまとまりのなさではないだろうか。

自由なサッカーを標榜したジーコ・ジャパン。
「選手の自由なイマジネーション・能力に任せれば、組織プレーを凌駕できる」とジーコ監督は語る。
しかし、結果は惨敗。

予選3戦を見ると、選手間の攻撃、守りのイメージの共有ができていなかったように思う。
自由すぎて、選手同士のプレースタイルのベクトルが合わなかったからだろう。だから、攻め方、守り方で意見の調整ができず、予選直前になっても監督・選手同士で議論しなくてはならない状況となっていたのだ。

要するに組織としてまとまっていなかったということだ。

ブラジルは「選手個々の自由なイマジネーションでプレイするサッカー」の代表例のように見えるが、実際は日本よりはるかに優れた組織プレーをする。おそらくあれだけのレベルのプレイヤーを揃えると、個々の役割を教えられなくても自覚し、瞬間的に組織としてまとまるからだろう。
また、監督・選手間の意見調整もプレーの華麗さに隠れているが、かなり行なわれているのではないか。

そう考えると、どんな形であれ「どれだけ組織的にまとまれるか」ということがWCで勝ち抜くためには最重要であることがわかる。

2002年のWCでは、トルシエ監督が、日本人は組織的にまとまりやすいという利点をうまく利用して、日本代表を「組織」としてかちっとまとめ上げ、16強入りを果たした。このことからも「組織としてのまとまり」が重要であることがわかる。

日本代表を支えるスタッフは、ブラジルの「表」の部分だけを見て、「選手の自由なイマジネーション・能力」に任せれば、「組織」プレーを凌駕できると勘違いをしているように思える。「組織」と「自由」は2択ではない。合わせ技だ。

今後の日本代表は組織としてまとまりやすい日本人の特性を十二分に生かし、WCを勝ち抜ける強力な組織力を構築してほしい。