快速電車の中の怒れる人々

公開:2016-05-31 21:55
更新:2020-02-15 04:37
カテゴリ:日記

東京の会社に勤めている人はたいてい、殺人的なラッシュに耐えて会社に通う。私はかつて大阪で30年近く暮らし、それなりにラッシュアワーというものも経験してきた。御堂筋線の混雑にも耐えてきた人間だという自負があった。

20年前に千葉に引っ越してきて度肝を抜かれた。快速電車は15両という途方もない長さで、ものすごいスピードでホームに滑り込んで来る。こんな長い編成の電車は関西では見たことがない。さらに7時だというのに電車の中は人でいっぱい、つり革をつかむこともままならないこともある。そして通勤時間の長さ。電車に乗っている時間は50分である。これは関西でいえば加古川あたりから、大阪に通勤する位に匹敵する。もっと長く乗っている人も結構いるし、通勤時間が長い人の割合は関西よりも圧倒的に多いと思われる。

そういうわけで車内はストレスが溜まっている人でいっぱいである。私もストレスでイライラするけれども、だからといって叫んだり、ドアをたたきまくったりしない。たとえ前に立っている人がリュックを担いで私の胸あたりを圧迫していたとしても我慢している。頭の中は「混雑しているときはリュックを下ろせよ~」という自分の声でいっぱいになっているが。たいていの人はイライラしながらも読書・スマフォ・好きな音楽を聴いて(これがまた大音量で音漏れしまくりの人がいて、それがまたイライラを誘うのだが)なんとか降車駅までの区間をやり過ごそうと頑張るのである。

だが、その中に他人にストレスをぶちまけてしまう人がいる。昨日の男がそうであった。私の斜め前に立っていた50代くらいの白髪交じりの短髪の男だ。長年の通勤から「ヤバい人」が何となくわかるようになっていて、そういう人の前にには極力近づかないでいることにしている。その「ヤバい人」の特徴はうまく書くことができない。直感的に「やべーな」と思うだけであるが、大体当たっている。昨日はその斜め前の男と、真後ろの男がヤバい男であった。できるだけ接触しないようにするため、体を無理に突っ張ったりして(というかこの行動自体、私がヤバいやつと思われる行動になっているかもしれないが)きついなーと思っていたところ、斜め前の男がキレた。

おい!!俺の体に鞄が触れないようにしろっ!!!

いや、無理でしょ。この混雑で。どうしたって触れるでしょ。。と思っていたら私に言ったのではなく、その男の前でつり革につかまっている女性に向かって怒っていたのである。どうも鞄がどこかに当たって不快であったようだ。女の人は鞄を下ろし、何とかこの男に対応した。そしてこの男はどうしたかというと、鞄をよけることによって空いたスペースでスマフォを見だしたのであった。

うーんやっぱりヤバい人だ。見知らぬ他人に命令口調で暴言を吐きストレスを発散し、さらには空いたスペースで自分の欲求を果たそうとするとは。

あとよく見られるのが、正義感をかざして暴言を吐く人。これは少し前の話だが、マナーの悪い男がいて、近くに立っていた男がキレ気味に注意した。そうすると口論になったのだが、正義感で注意した男も暴言を吐きだし、そして最後には「次の駅で電車を降りろ!!」と叫びだした。そうすると周りのストレスフルな方たちに伝播し、「 お前ら、うるせえんだよ!!どうでもいいから静かにしろ!!」「 その行動が大人げないんだよ!! 」と口々に叫びだし、その場が異様な空気に包まれた。そのあと正義感男はばつが悪くなったのか途中で下車し、その場は収まったのであった。 あんなこと言わなきゃいいのに。。言うならもっと冷静に言えばいいのに。。と思うんだけど、ストレスでいっぱいだから、なんとか思いを晴らすために引っ込みがつかなくなっちゃうんだろうなぁ。。とか思ったりもする。

こんな話っていっぱいあるんだけど、このくらいにしとこうか。。

まあそういうことで、トラブルリスクを抱えながら真面目に通勤しているのが、東京のサラリーマンなのである。