HP64000 - HP9000

公開:2011-07-31 09:11
更新:2020-02-15 04:36
カテゴリ:日記,ハードウェア

私は20年ほど前ゲーム会社に3年ほどいたのだけれど、その時に使っていたのがHP64000というシステムであった。


http://dyne.org/museum/hp/hp64000/tn/HP64000.JPG.html より

これは複数のCPUに対応したICEである。ゲーム基板のCPUソケット上にHP64000の端末から出ているプローブを差してHP64000がCPUの代わりに動作する。HP64000上ではクロスアセンブラやSKエディタというテキストエディタ、そしてデバッガがあり、編集→アセンブル→デバッグ実行が容易にできるシステムであった。デバッガは命令ごとにブレークポイントを設定したりできた。要するに今のIDEのハードウェア版のような感じである。当時はソフトウェアで命令ごとにブレークポイントを設定することなんで出来るデバッガはなかったかもしれない。私が最初に見たソフトウェアデバッガはMSのCodeViewである。

またEPROMのソケットがあり、そこにROMを差し込んで焼くこともできた。当時はEPROMは紫外線を照射してデータを消去していたので、紫外線蛍光灯設備も会社には必ずあった。

やはりこのシステムもテキストエディタが秀逸であり、コピー・ペーストなども自在にできたように思う。ソフトキーと呼ばれるキー(PCでいうファンクションキー)に編集コマンドが割り当てられていて、操作も少ないオペレーションで出来た。またキーボードもしっかりした作りで入力もしやすかった記憶がある。私がゲーム開発をしていた時期はHP64000からHP9000へシステムが徐々に進められていた頃であった。私も途中からHP9000システムで開発を行ったがこれが最初のUnixマシンとなった。viエディタが標準だったので慣れたskエディタよりも使い勝手が悪かったため最初はいやいや使っていた。途中でHP9000上にSKエディタが移植されたためそこからはそこそこ快適に開発できたと思う。